配信でも紹介しました。
コミカライズのほうも一巻が発売されたので、改めてご紹介です。
こちらの作品、作者名だけでお気付きになる人もいると思いますが、あの「ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」の生みの親である暁佳奈さんの新作となっています。
シリーズ化もして、現在3作品発売されています。
内容はといいますと、タイトルの通りです。
人間が、四季の代行をする。
春夏秋冬、それぞれ一つの季節を司る人間――現人神の存在する現代日本が舞台となっています。
「神」であっても、身体は人間なので、老いもあります。ケガも病気もあります。
そうして、なんらかの理由で代理者が不在となった時、その国では(どうやら各国それぞれに四季の代行者がいるように私は思いました)四季が一つ失われるのです。
――10年前、春が失われた。
春の代行者が亡くなったのではなく、人為的に奪われてしまったのです。
日本は春のない10年という年月を送ることとなります。
冬の次、すぐに夏がやってくるのです。
生態系はもちろん乱れます。春が失われた分、冬が長くなりました。寒さのせいで病にかかる人も少なくはありませんでした。冬などいらないと、人々から嫌われました。
春夏秋冬はもちろん、様々な天候。人から嫌われるもの、好かれるもの多々あります。これらを「人」に置き換えたのです。
また、夜明けと日没の代行者もいます。
こちらは毎日、季節に合わせて時間をずらしつつ、天に向かって弓を放つという儀式を行わなければならない。
こちらの代行者については、2作目、3作目で詳しく語られることとなります。
暁佳奈さんについては、「ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」を文庫本として上梓されたときに知ったのですが、本作デビュー作をさらに上回る内容となっております。
基本的に私はネタバレレビューはしません。
なお、一部不適切と指摘いただいた部分は修正しております。
どうしたらこんなにもつらいことが書けるのだろうと、作品に没入しながらも思ってしまいました。
設定や出来事が特殊というわけではなく、描写力というのが飛び抜けているんです。
その影響力もすごくて、ある方をデビューに導いています。
こちらについては次回書こうと思います。
結構分厚いし、上下巻ということで買うこと、図書館などで借りて読むのためらう人がいると思います。映像化されたら見るという人もいると思います。
でもやっぱり、文章で読んでもらいたい作品です。